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CVPPP院内研修会

こんにちは。まだまだ寒い日が続きますね。

本日は当院で行っている院内研修会についてご紹介したいと思います。

院内研修自体は、全職員対象、看護部対象といった形でほぼ毎週行っており、今回は2月下旬に行ったCVPPPの院内研修について紹介させていただきます。

 

CVPPPという言葉を聞いたころはあるでしょうか?

これは、「包括的暴力防止プログラム」の略で、CVPPP(しーぶいとりぷるぴー)と呼んでいます。

では、包括的暴力防止プログラムとは何か。

“暴力防止”という言葉を聞くと、合気道のような抑制術を想像する方が多いかと思いますが、これはPerson Centeredのアプローチであり、暴力を起こす人をネガティブに捉えるのではなく、“どうして暴力に発展したのか”を考え、適切な介入をすることによって「ケアする」と考える介入方法です。

 

医療現場では暴力というものが不可避的に存在します。それは精神科に限らず、そして身体的なものもあれば、暴言や罵倒などの精神的なものもすべてが含まれます。

その中でも精神科の病院においては、病状によるものだけではなく、閉鎖的な環境であるがゆえに、そうした環境的なストレスを受けることが暴力の誘因となることがあります。

 

しかし、そうして起こってしまう暴力の一部については、ストレスや攻撃の兆候に気付き、適切に介入する方法を知ることで防げる暴力も多く存在します。


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今回の研修会では、座学的な講義だけではなく、当院で実際に起こった事例について、ヒヤリハット報告書に基づいてロールプレイで再現し、どのような介入ができたかということをグループで検討し、発表し、ロールプレイで再現するという方法で行いました。

ちなみに患者さん役は小林院長にご協力いただいております。(笑)


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※患者さんへのアプローチや移乗の場面設定の様子


当院にはCVPPPのトレーナー資格を持った職員が多数おり、トレーナーが中心となってワーキンググループを作り、毎月事例について検討し、必要に応じてこのような研修会を行っています。

こうした研修会を通して、職員全員がCVPPPの考え方に基づいた介入方法を学び、暴力を防ぐ力(“防力”と呼んでいます)を高めることと、暴力の被害者にならないことで患者さんを加害者にさせないということを大事にしています。

こうした取り組みは、当院で今とても大事にしている“不要な抑制をしない”という考え方につながるものであり、暴力事例を減らすことは抑制を減らすことにもつながると考えています。


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※ロールプレイ後、患者様への対応の仕方についてのグループごとの意見発表


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※正面からではなく、斜め45度くらいからのアプローチ。目線の高さを合わせて(左)

※パーソナルスペースの確保。腕2本分くらいの距離。近すぎると暴力を受ける危険があります(右)


今後も、院内研修や取り組みについてブログを通じてご紹介させていただきたいと思います。3月には褥瘡の研修会もありますので、次回をまたお楽しみに☆。